障がい児・者の計画相談支援・ケアプラン・くらしの相談所

介護認定審査会で思うこと

私も久しぶりに介護認定審査会の委員に任命され、4月から活動させていただいています。以前は、制度ができた当初の2年間、他地域でさせていただいていました。その頃は、みなさん、初めてということもあり、15件に対して、いろいろと議論をして決めさせていただいていました。今は、たいてい36件です(多いですね)。今の審査会はみなさん熱心で、私など医療の知識の疎いものには、懇切丁寧に教えていただき、大変助かっています。

そんな中で、思うことは、①医師の意見書、②調査員による特記事項のばらつき、③介護認定審査会が地域によって差があることです。①については、主治医の意見書なので、他科等の記載がないということがあげられます。実際にケアマネジャーとしての体験ですが、視覚障害の方で、それに関する疾患名が医師の意見書になく、以前からかかわっておられた訪問看護師さんにお聞きして難病指定の疾患ということがわかりました。当然、訪問調査で視覚の部分にチェックが入っているので、見えておられないことの判断はつきますが、医師の意見書を頼りにして、認定審査会で話し合うので、その疾患名の文言があるのとないのとでは違うと思います。また、疾患が不安定であるとの判断をどうつけるかについても、医師の記述は重要視されるにもかかわらず、記述がないものが多いと感じます。②についてですが、ほとんどの方が細かく書いてくださっていることが多いですが、医師の意見書には認知症に関する記載があるにもかかわらず、特記事項に何も書かれていないことなど、判断に迷います。③についてですが、先日、社会福祉士会の研修で他市の実情を教えていただきました。当市の場合は、事前に資料が送付され、熟考することができます。しかしながら、隣市では当日に資料が渡され、その場で資料の読み合わせをして、そこで会議に臨むとのことでした。また、ほかの地域では専門知識を持ったものがおらず、自治会長さん!?という場合もあるとのことでした。

制度が始まって17年、認定審査会は見ず知らずの方に関して、ただ二つの資料から読み解いて解釈するというものです。とても不確かなものであるにもかかわらず、それで、支給限度額が決まるというのも、どうなのかなぁと思います。加えていうならば、医師の意見書、認定調査および認定審査会、どれも大きなお金が動きます。介護保険制度設計の時点で、そういうことまで試算されたのでしょうか。国民を巻き込んだ議論ではなく、制度設計からの施行までの期間が短すぎた制度であるとつくづく思います。